参院選自民大敗 金融政策 利上げへの牽制強まる
政治からの独立性をうたう日銀の金融政策への影響も避けられそうにない。市場では、成長路線を重視する安倍晋三政権が、大敗を受け利上げに対する牽制(けんせい)を一段と強めるとの見方が広がっている。また、内閣改造に伴い、「利上げのための調整にも時間がかかる」(民間エコノミスト)との指摘も出ており、株安・円高の進行の逆風と合わせ、参院選前は“既定路線”となっていた8月利上げに不透明感が高まっている。
日銀の福井俊彦総裁は7月の会見で「選挙結果に関係なく目をつむって何かするということはない」と述べ、政権の不安定化による株価や為替相場への影響を注視していく考えを示していた。このため、株安や円高が続けば、「利上げの可能性は低下する」(第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミスト)とみられている。
一方で、企業業績を中心に実体経済は好調に推移しており、8月22、23日の金融政策決定会合前に発表される4~6月期の国内総生産(GDP)など重要指標が悪化しなければ、利上げに踏み切るとの見方も根強い。また、「政治の影響を受けないという姿勢を示したいとの思惑から、あえて利上げするのでは」(熊野氏)との声もある。
3月に任期が切れる福井総裁の後任人事はさらに大きな影響を受けそうだ。日銀総裁は衆参両院の同意を得た上で内閣が任命することになっており、内閣の意中の人物が参院で否決される可能性があるためだ。
市場では、後任として日銀副総裁で元財務事務次官の武藤敏郎氏や前総務相の竹中平蔵氏らの名が取りざたされている。ただ、最有力候補の武藤氏は、2003年3月の副総裁就任時に民主党が官僚出身であることなどを理由に反対している。竹中氏も、民主党が格差の拡大を招いたと批判する小泉純一郎前首相の構造改革路線の立役者の一人だけに、両氏ともに民主党の同意を得るのは難しそうだ。
「与野党の双方が納得できる現実的な候補は見当たらない」(エコノミスト)との声も出ており、今年末から本格化する人選の難航は必至だ。
引用:FujiSankei Business i.